養護教諭の倫理綱領

養護教諭の倫理綱領について

日本養護教諭教育学会として2008年度より検討してきた「養護教諭の倫理綱領」は、2015年度総会で承認されました。

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倫理綱領の構成

「前文」では、養護教諭の倫理綱領を作成する意義等を説明しました。

「条文」はは以下の3つの枠組みで構成し、他の専門職の倫理綱領でも掲げられている内容との整合性をはかる一方で、養護教諭独自の内容になるよう配慮しました。

【倫理綱領一般と共通するもの】(第1条~第4条)

【養護教諭の専門性に関わるもの】(第5条~第11条)

【養護教諭の発展に関わるもの】(第12条~第14条)

 

倫理綱領承認までの経過

○2008年度~2010年度

時限委員会「養護教諭の職業倫理に関する規定の検討委員会」(代表:鎌田尚子)による検討(成果を学会誌第14巻第1号にて報告)

○2013年度~2014年度

時限委員会「養護教諭の倫理綱領検討特別委員会」(理事長:三木とみ子)による検討

第21回学術集会(神戸市)プレコングレスにおいて経過報告と意見交流

第22回学術集会(千葉市)全体会で検討報告、総会において前文と条文項目名を提案

○2015年度

時限委員会「養護教諭の倫理綱領検討特別委員会」(理事長:後藤ひとみ)による検討を継続、会員意見等と有識者の助言をふまえ最終案を作成

第23回学術集会(熊本市)総会にて承認

 

第13条に【養護実践基準】を入れた理由について

① 養護実践基準は、養護教諭が実践のレベルを保持するための基準を有しているという根拠を社会や行政に示すものになる。

② 基準を一定のレベルと捉え、実践を標準化した水準が必要であることを本学会の倫理綱領に示すことは専門職として不可欠であると考える。

③ 養護教諭養成機関は、開放制の原則により実に様々である。したがって、為すべき実践の基準があることで、教育系、家政系、看護系、医学系等のいかなる養成であろうと子どもたちに向かい合ったとき、養護教諭としての専門性と独自性を保持できる。

④ 現在、我が国の養護教諭の資質能力を担保する基準は教育職員免許法施行規則第9条、第10条で規定されている。しかし、これらは履修しなければならない「最低の科目」と「最低の単位」を示したものである。養護教諭は子ども達に向き合い、教育活動を通して子どもの心身の健康の保持増進を支援することから、免許法によるカリキュラムでは保証しきれない具体的実践の基準を設定する必要がある。

⑤ 他職種では、業務実践基準や看護業務基準等がある。養護教諭は「教育職員」としての専門性を発揮し、保健室の機能や保健指導等を通して子ども達の自己実現に向け教育活動をしている。このような「職」は世界に類を見ない優れた存在である。このことから養護教諭の実践レベル(水準を保証する基準)が必要であり、これが「養護実践基準」である。

⑥ 同じ教職員である「教諭」に倫理綱領やその基準があるかと言えば、現時点でそのような倫理綱領や基準があるとは確認できない。養護教諭も同様に教育職員であるが、子どもの生命を守る専門性をもった専門職であることを標榜するからには独自の実践を確保する基準が必要である。

⑦ 「養護実践基準」という用語はなじみが薄く、関係者に深く理解されているとは言えない。基準化するとなれば、それに縛られるのではないか、実践の範囲が狭くなるのではないか等の懸念が生じるかもしれない。しかしながら、養護教諭の未来につながる確かな資質・能力を保証し、倫理綱領の活用を啓発する必要があると考える。

(2015.10.11総会にて配付)